SANEDOME jotdown

大体週休一日

砂漠に都市を築く

 シリア内戦の難民120,000人が身を寄せる世界第2位(※ビデオ制作当時)の難民キャンプ、ザータリの日常を描いたビデオ(多分UNHCR for Australiaが作ったものだと思う)に日本語字幕をつけたものが公開されている。


A Day in the Life Zaatari Episode 1 Welcome to Zaatari ...

http://www.youtube.com/watch?v=Frej-AUAMY0 (via twitter)

http://www.youtube.com/watch?v=M3ja4g4DK-Q (via twitter)

http://www.youtube.com/watch?v=2PjHJBuSagY (via twitter)

 3話で終わりかなと思ったけど、もっとありそうなのでこれくらいでまとめておこう。

 第一話のキャンプ管理者キリアン・クラインシュミットさんの発言から個人的に好きな部分をご紹介しておく(4:52ごろから)。

住民は多くのものを破壊し盗みもしました
でもそれは盗みか それとも私有化したんでしょうか?
私は後者だと思います

They have destroyed a lot, stolen a lot.
Now, have they stolen a lot or have they privatised a lot?
I think they privatised a lot.

彼らとしては共同トイレなんてもってのほかだと
自分用に要るから共用施設をちょっと移動して自分のにするよというわけです
共用設備の材料を私物化して作った洗面所は至るところにありますよ
それで理想像をきちんと作ろうと決めたのです
彼らは都市を築こうとしています
それなら我々もそうしようと
「彼らの展望と我々の意向とを融合しひとつの都市計画にする」難しい作業を進めています

So they say "I don't want a community toilet, I don't own a private one, I take some materials from a community toilet and just move it a few meters to make a private toilet."
You will find everywhere, bits and pieces of public toilets synthesised to private bathrooms.
And that's where we start building up the vision, that they are building the city, we said "and we also build the city."
Today we're trying to bring together our vision, their vision and our vision, so we're now converging upon bringing up to one.
It becomes complicated.

 日本UNHCRの記事もある(日付は今年だが去年の9月ごろ、つまり多分この動画が公開される2ヶ月ぐらい前の記事の翻訳みたいだけど)。

ヨルダンのザータリ難民キャンプで飛躍的に発展する町づくり | 国連UNHCR協会

 ちなみにシリア国外へ逃れた避難民の総数は200万人を超え、うち2011年以降2月現在で約52人が日本での難民としての受け入れを申請している。しかし、この記事が作られた時点まででは1人も認定されていないようだ。審査結果が出たのは34人、うち33人に人道的配慮により在留資格が降りた。残り1人が他の審査結果待ちの人々と一緒にどこかの入管施設に収容されているのか、それとも帰国を強いられたのかについては言及がない。

衆議院予算委員会にてシリア難民の受け入れと難民の家族統合に関する質問および答弁|注目の難民ニュース|難民支援協会の活動 − 認定NPO法人 難民支援協会 / Japan Association for Refugees

日本と“シリア難民”|特集まるごと|NHKニュース おはよう日本

 難民の所在を明かさないこと自体については、政治的背景により襲撃のおそれがあるケースを考えれば別におかしいことではない。でも日本の場合、配慮により隠されているというより、入管施設にいて外部と連絡をまともに取らせてもらえないため(参考: 仮放免者の会(PRAJ): 収容の長期化、劣悪な医療処遇等(東日本入管センター被収容者による嘆願書))足取りが途絶えた状態になっている可能性を配慮せねばならないだろう。

続きは?

 31日に国連UNHCR協会(日本版アカウント)のポストで4話目が紹介された英語版はエピソード15まであるのを確認している。