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いろいろ: 選挙とか児ポとか

イタリア: 選挙模様いろいろ

Outcome of Italy election deeply uncertain

 現職のモンティ氏が去り、中道左派のPier Luigi Bersani氏とベルルスコーニ氏が争う首相選挙は若干ベルルスコーニ氏不利ながら読めない流れとなっている。また、今後の政策決定に大きく関わる元老院(上院に相当)選も、各地での接戦のために結果が予想しづらい。モンティ氏率いる中道派は複数の地域で8%の閾値を切る可能性があるが、専門家のRoberto D'Alimonte氏曰く中道派の議席喪失はイタリアにとって致命的になりうるという。

"What is really important is that Monti does not fall under eight percent in several regions," he told Reuters. "The future of Italy and the euro zone depend on this variable."

 Bersani氏はモンティ氏との協力体制への意欲を示している。しかしながら、「赤い中部」で中道派が失う票はBersani氏のPartito Democratico(PD)に向かうと見られており、経済政策におけるモンティ氏の独自路線は保たれず、政治的不安定さが生じる見込みが高い。もし素早いアクションの取れない政府が生まれれば投資家が手を引く口実を作り、新たな経済危機の発火点となる。

 世論調査会社SWGの副社長Maurizio Pessatoは、モンティ氏の元老院での苦戦はPDの利益になるだろうと話し、次のような見方を示した。

"The key with this electoral system is not Monti, it's the PD winning Lombardy ... If the centre-left wins the Senate outright, it will make an alliance with Monti from a position of strength. There will be a government and stability."

 別の世論調査員からも同様の見方が示されている。大体ここまではロイターの日本語記事と同じ。

イタリア総選挙、結果は相当不透明で波乱含みの恐れ | ビジネスニュース | Reuters

 ここからBeppe Grillo氏についての情報が若干出てくる。といってもあまり分量は多くない。あと若干何故モンティ氏の支持率が低いかについての記述があるのでメモしておく。

Experts say he was badly advised, including by US consultants who have worked for president Barack Obama, and clumsily attempted to join in with political mudslinging instead of retaining the aloof, professorial demeanour that has marked his time as prime minister.

"If he was seen by Italians as a robot, then he should have been a robot in the election campaign," said Antonio Noto, head of the IPR polling company. "If you change behaviour then you are not seen as genuine."

Mr Monti was also an easy target for both Mr Berlusconi, whose campaign centred on attacking the prime minister's hated new housing tax and Mr Grillo who nicknamed him "Rigor Montis".

  と色々書いてみたものの、一番気になったのはこれかもしれない。

Political leaders were holding their final rallies before a campaigning ban ahead of two days of voting on Sunday and Monday, and analysts said the result was too close to call."This vote is not at all certain. One percentage point either way could lead to chaos or a clear winner," said one pollster who asked not to be named because of a ban on the publication of opinion surveys in the fortnight before voting.

 日・月の投票日を控えて金曜(22日)が選挙運動の最終日、2週間前になると世論調査の公表も禁じられる。

おまけ: Beppe Grilloってどんな人?

 Wikipediaの記事を見るにコメディアンで、あとは記事中にも若干あったように国民の腐敗と不景気へのうっ憤を火力に支持を伸ばしているようである。五つ星運動の項目(日本語記事もあるが内容は薄い)にはずばりポピュリズムと書いてあって笑った。

 まあ、なんとなく移民・性的少数者・女性の権利の問題には望み薄かな…と思いながら一応日本語でざっと検索してみたらJRCLの機関紙に載ってるらしいタイムリーな特集の記事がトップだった。

イタリア:2月総選挙をめぐつて

 モビメント5ステッレ(コメディアンのベッペ・グリロが率いる五つ星運動)は、イタリアの政治的風景の中では本当の新現象だ。この運動は、寄生的かつ腐 敗した政治カーストに対する絶対的糾弾を通して堅固な選挙基盤を築くことを望みつつ、唯一のオルタナティブとして自身を押し出しつつある。グリロは、あら ゆる政治屋に対する人々の広範な層の深い軽蔑の波にうまく乗っている。
 しかし、この正しい政治屋糾弾は、今日の緊縮諸政策に真に責任のある者たち、すなわち銀行家、大企業、そして金融業者を無視している。しかしその者たち こそ、政治屋の黙認から利益を引き出した後今、民衆を巻き込み、大衆的支持を勝ち取ることに向け、民主的討論の場としての政治システム解体のために、大衆 的不満に乗じつつあるのだ。グリロが「彼の」運動を、全面的にトップダウンのやり方で組織してきたこと、そこではすべての政策や政治路線に関し最終の決定 権や拒否権が彼の下にあることは、偶然ではない。また以下のこともその論理的必然だ。つまり彼は労働組合を、その官僚化された性格の故ではなく、彼が思う ところ経済発展を抑止しているが故に批判するのだ。同時に彼は恥知らずにも、街頭上の気分の端々をつまみ食いし、そうして移民の権利に関しあいまいな立場 を取り、またカサポウンドのようなファシスト組織に関し好意的な公言を発する間違いを犯している。

 ああやっぱりィ…

 ところでその他主要な商業メディアに殆どスルーされてるのはどういうこっちゃ…アイルランド関連だと慣れっこなんだけど、イタリアですらこの程度の扱いか…と一瞬憂鬱な気分になったものの、Googleで検索したらすぐに理由が分かった。グリロではなくグリッロと表記されているんだ。公式ブログの表記もそうなっているのでそういうことに違いない。実際、すぐに朝日新聞の記事を見つけることが出来た(2012年6月のだけど)。

朝日新聞デジタル:イタリアでも「反緊縮」台頭 人気芸人が率い支持拡大 - 国際

 ところで公式ブログ、冗談抜きに日本語版があるんだけど何でだろう(更新は2011年で止まっているが)…しかもこれ、多分機械翻訳(だけ)じゃなくちゃんと人の手が入ってるっぽい(少なくともブログ本文には)クオリティ。しかもクリエイティブ・コモンズライセンス下ときたもんだ。

japanese Beppe Grillo's Blog

FBI内部に蔓延る(?)sexting

Sexting, bugging found in FBI

 FBIの2012年10月版の四半期レポートによれば、Federal Bureau of Investigation's Office of Professional Responsibilityは過去1年間に29件のケースを扱っており、その内容は盗聴から児童ポルノの閲覧まで多岐にわたるという。本来部外秘の文書を入手したCNNでも記事が出ている。その中でも活発(?)なのが不適切な内容のメール(大体がいわゆるsexting)で、とりわけ仕事用に貰ったブラックベリーを濫用したケースが目立つという。

 FBI Agents Associationは、私企業を含むアメリカの職場では特に不品行が多い方という訳ではなく、どちらかというとむしろ少ない側に分類されると弁明している。でも、酔って武器を持ったまま大家と争い、警察に手錠をかけられたケース(流石にクビ)みたいな怖いのが混じってるのはさすがに「少ないから軽い」で済まされるとちょっと…と思うのだった。